編み機の模様に、手の操作を加える
黄色の編み地の下へ道具を差し入れ、目を拾って上の針へ掛ける。2024年2月に「変り引き上げ編み」として残した映像です。編み機で段を編み進める途中に、手で目を扱う時間が入ります。今回は、そんな手作業から生まれる模様のバリエーションを紹介します。
決まった間隔で、大きく引き上げる
すでに編んだ下の段へ手を戻し、決まった目数の間隔で大きく引き上げる。同じ操作を繰り返すことで、編み地に斜めの線が並びます。引き上げる向きが変わると、模様の流れも変わります。なわ編みで隣り合う目を入れ替えるときとは、手の動かし方も違います。
6目・8段を一つの例に
今回の例は、6目をひとまとまりにして8段ずつ編みます。最初の8段を編んだら、1段目の1目めを8段目の5目めへ、1段目の2目めを8段目の6目めへ掛けます。この操作を、横に並ぶ6目のまとまりごとに繰り返します。
次の8段では向きを変えます。その区間の1段目の6目めを8段目の2目めへ、1段目の5目めを8段目の1目めへ掛けます。図では、それぞれの区間を下から1〜8段として表しています。
6目・8段は、この見本で使っている一例です。決まった間隔で目を引き上げるのが技法の基本で、目数や段数は変えられます。どのくらい離れたところへ、どの高さまで引き上げるか。その選び方も、模様を作る楽しみの一つです。

繰り返すと、模様が見えてくる
引き上げる位置をずらした配置例を、24目・24段の範囲で示しています。横には6目のまとまりが四つ。8段ずつ三つの区間に分け、中央の区間は向きを変えて右へ3目ずらしています。最上段の区間は最初の配置に戻しました。斜めの長い目の向きと配置が繰り返される様子を見渡せます。一つずつの掛け方と、繰り返したときの模様を見比べるための図です。
模様を試していた頃の言葉
当時の投稿では、段数や位置をずらすと模様も変わりそうだと書いていました。実物を揃えて比較した結果ではなく、この見本を編みながら感じた次の試し編みの可能性です。一つの操作を覚えると、その間隔や向きにも目が向くようになります。
編み機の中に残る、手の仕事
このとき使っていたのはKH230です。機械で段を編み、手で目を拾い、また段を編む。二目ゴム編みの編み出しにも通じる、機械の動きと手元の操作を組み合わせる編み方です。手を入れるところに、その編み地の表情が生まれています。
